木造茅葺き平屋建ての約29坪の小さな家。萩藩の中間伊藤直右衛門の居宅であったが、安政元(1854)年に伊藤博文の父・林十蔵が伊藤家の養子となったため、一家をあげて居住。伊藤博文が明治元年に兵庫県知事に赴任するまでの本拠となった家でもある。
旧宅に隣接する別邸は、明治40年、伊藤博文が東京府下荏原郡大井村(現:東京都品川区)に建てた広大な別邸の一部を移築したもの。明治時代の宮大工伊藤万作の手によって建設され、大広間の鏡天井や離れ座敷の節天井など非常に意匠に優れていたものであった。その往時の面影をよく残す一部の玄関、大広間、離れを解体し、当地へ移築した。建物内にはボランティアガイドが常駐しているので、詳しい施設の説明を聞くこともできる。
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